いつか出会う前の君へ。
君は自分を汚いと言って、とにかく消えて亡くなりたかったね。
でもそれは君のせいではなかったよ。
いつかどこかの、ものすごく汚い、誰かのせいだった。
今でも同じような話を目にするたび耳にするたび、
自分の血が、肉が、許せないと叫びそうになるのを知ってる。
知ってる。
でもそれは決して君のせいではなかった。
今なら、誰かに助けを求めることもできただろう。
でも今はあのときじゃない。
でも、あのときは、もう今じゃない。
変えることができないことを、
逃れられないものを、
君は自分のせいにして、自分が背負うことで、背負い切れない傷を知った。
ねえ、今ならわかるんだよ。
君のせいじゃなかった。
ねぇ、
だから、
たくさん、唄を作ったんだよね。
自分と自分を切り離したんだよね。
狂ってしまえれば良かったんだけど、
あたしはそこまでキチガイにもなれなかった。
だから作れた唄があるよ。
いつか、そんな話ができるといいね。
一生、付き合って生きていかなければならないようなものを背負わされた君は、
もうじゅうぶん頑張ったと思うのです。
* * * * *
誰よりも空に近かった自分を知ってる。
そのときの自分を可愛いとか愛しいとか「幼い」と、笑える、今は、
いろんなものを手放して、
ありがとう、だけが、
残るのです。